親の責任
夕刊フジに、インプラントのトップランナーと紹介されました。(クリック)
・ある患者さんのこと。娘さんが高校生。前歯部2本が先天性欠損でした。
・その娘さんは、大学病院の矯正歯科で補綴上(被せもの治療をする都合上)歯並びを良くし、欠損歯のスペースを確保するという治療を行っていました。その親御さんは、当インプラントセンターで1%以下に入るたった1本なのにインプラントを選択されず、当院で仕方なく両隣りの歯を削ってブリッジ治療を行った患者さんです。行わなかった理由は自分がおっかなかったからだそうです。
・大学生になった頃、娘さんの矯正が終わりそろそろ補綴(被せ物)治療の時期になりました。娘さんは、歯の治療のことは何もわかりません。
・親御さんは自分の娘さんにも、全く無傷の歯を削ってブリッジを勧めてしまい、大学病院の補綴科で両隣りの何でもない歯を削ってブリッジにしてしまいました。ああ~何としたことか...。ああ~、可哀想に...。
・その娘さん。一生後悔するでしょう。インプラントの実際が分った時、親を恨むことになるかも知れません。何であの時ブリッジではなくて、インプラントにしてくれなかったのかと...。こんな安全で確立した治療なのに何で勧めてくれなかったのかと...。これこそ、親の無知が招いた悲劇です。
・歯を削ってブリッジにしてしまうと、10年後に歯が虫歯になってしまうリスクが高くなり、虫歯の再治療の繰り返しで運が悪いと抜歯になってしまいます。
・その時にインプラントにしておくべきでした。
・お金がなかったなら別ですが、ブリッジでも審美性を重視したため、当然セラミックブリッジでソコソコの金額が掛かっています。あ~あ~。もったいない。削ってしまった無傷の歯。親の無知が招いた悲劇です。あれ程、説明したではありませんかあの時。削るべきではないと...。娘さんが可哀想でなりませんでした。
・この教訓から私は、もっと、インプラントを世間に広くアピールすべきと思い知らされました。当然行う歯科医に因るが、歯科医を選べば、インプラントは安全確実な治療法であることをもっとアピールすべきだ、と。私の啓蒙の努力がまだまだ足らないことを痛感しました。