アメリカインプラント学会参加2日目
アメリカインプラント学会参加2日目。
上顎右1番の治療方法について、各スピーカーが講演した。こうすれば綺麗に出来上がる、っていう内容である。上顎1番に抜歯即時フラップレスインプラント埋入を行って即時プロビジョナル(仮歯)を入れて綺麗に出来上がったケースを出した先生がいた。
アメリカ人のDrでも毎回この方法を使わない。まして歯槽骨幅と歯肉の厚みが薄い日本人には、~専門的には、Thin Scallap のバイオタイプというのであるが~ある場合を除いて、条件を選ばないでこの方法で行うと、患者さんは悲惨な結果になってしまう。つまり、オペ後何ヶ月かすると歯肉が退縮して、歯科医は悪夢を見て寝れない夜を過ごすことになる。
日本では、「アメリカの有名な先生がこの方法で綺麗に仕上げた。」これが誇張されて、イコール、自分でもできると思ってしまう。一部の先生が綺麗な抜歯即時インプラントのケースを見せているので、これが、どんな条件でも、自分でもできると勘違いしてしまっているのが現状である。一部の先生であることを祈りたいのであるが、、、。
何を言いたいかと言うと、埋入する時の条件が大事なのである。つまり患者さんの選択、その歯の現状に因るということである。言い換えると、私の好きな言葉であるが、そのクライテリアが大事なのである。
私は講演する先生に、その症例が綺麗であればあるほど、素晴らしければ素晴らしいほど、それを行う時のクライテリアは何ですか?どういう時に行えるのですか?その選択基準はどういう時なのですか?と聞く。嫌がられているが聞いている。それは私にとって大事なことであるし、聴衆者にとっても大事なことだからだ。若い先生が悪夢を見ることがないように、と思っているからだ。
何年も前に悪夢を見た一人のDrの雑感である。
夜は、President's Reception、つまり懇親会。 アメリカのN大学に籍を置いているS先生とお話した。そのS女医先生は籍を置いているN大学の Prof&Chairman である Dr.T のことを研究に対する姿勢も人格も素晴らしい!と誇らしく・嬉しそうに話していた。日本の大学で、あれ位、自分が籍を置いている講座の教授のことを評価している先生はいるだろうか?
また、違うアメリカのC大学に留学していた先生も言っていた。「N大学のレジデント(研修医)のプログラムは、評価に値するプログラムだ。」と。
・・・日本の大学は何を取っても程遠く感じた...。私は、申し訳ないが、学生の時の思い出しかないからかも知れないが、小児歯科の教授を除いて、母校にいい思い出は何一つない。......。尊敬できる先生の所で働ける彼女を心底本当に羨ましいと思った。